Wednesday, September 06, 2006

変な気分

夕べ国の友人に電話しました。久しぶりなので2時間ぐらい話しました。振り返ってみればよく話したなって感じでした。
話題ですが、特にたいした話題ではありませんでした。自分たちの考え方、生き方そして社会と世界の見方が多かったです。意外と合いました。その人は一人っ子なのでさびしいですって。お兄ちゃんかお姉ちゃんがほしいですって。僕は逆の立場です。ウザイくらい兄弟が多いです。一緒にいたとき、けんかはしていなかったが大切に思ってもいませんでした。当たり前の存在でしたからです。でもこっちにきて、やっぱり兄弟が多くてよかったと思うようになりました。
そしてその人の話を聞くと、やっぱりさびしそうです。相談する相手がいません。自分は高校を卒業してどんな道を選べるべきか相談相手がいなかったそうです。家ではお父さんはお仕事であまり接する機会が多くなかったのでお母さんは唯一の話し相手となるそうです。でもやっぱり、何でもお母さんと相談できるわけでもないし、しかも今お母さんは商売で忙しくなりました。
そんなことを聞いて、相手になってあげたくなりました。
その人のすごいところは「人を疑いなく信じること」です。でも話していくうちにその人の想いがわかるようになりました。それはただの信じるのではありませんでした。純粋な人だからそうなったのです。人に傷つけたくないだって。「人を信じるには勇気が要る」とよく聞いていました。自分もまさにそれに当てはまります。僕は人を信じることがとても難しいです。警戒心が強すぎるからです。でも僕の友達によると、「いつも信じてもらえないので、その信じてもらえない悔しさがとても心に残るし傷ついているから自分はなるべく人を信じるようにしている」ですって。それを聞いて今までの自分は間違っていることに気づきました。昔裏切られたことがあるからいつも警戒心を持ってしまいます。でも今ははっきりわかりました。自分の性格には警戒心をもつべきではないのです。なぜなら、人を信じてその人を喜んでもらえることは自分にとって幸せですから。
今khmermidiでkhmer songを聞いています。ホームシックなのかな、変な気分です。幼いごろの思い出が浮かんできました。田んぼで朝早くから仕事をはじめて、日暮れまでやりました。昼休みは小さな木の下で昼寝しながら、ラジオを聞いていました。「暑いな」「キツイな」「疲れたな」と思いながらもどうすれば抜け出すかわかりませんでした。外の世界がまったくわかりませんでした。人生の選択肢を思いつきませんでした。日本に来る道はプノンペンに来てから見つけたものでした。もし、あの時親ががんばれなくてプノンペンに行かせなかったら今は汗を流しながら田んぼで仕事をしているでしょう。
プノンペンに来たばかりごろは大変でした。親戚の家に泊めてもらいました。まさにNeak Sre Chol Krongの状態でした。直接的にも間接的にも嫌がらせがありました。涙を流したこともしばしばでした。お寺に住ませるよう親に頼んだことがありました。でも返事はNoでした。「我慢するんだよ、4-5年間だけだよ。今の家族の状況だとお前はお寺で生活できるほどじゃないから。」という答えでした。あのときを振り返ってみればそのとおりでした。親戚の家なら食費も何でも無料でした。本を購入するお金と英語の塾を通うお金さえぎりぎりでした。よくいとこが僕の分まで英語の受講料を払ってくれました。
今なって自分の人生のほとんどは他人から受けた援助だと思っています。その人たちにいくら返しても返しきれない恩があります。中学校に入った時にはおばさんから子供さんの古着をもらっていました。合う度にお金をくれました。高校に入ったときにはおじさんから自転車を買ってもらいました。高校受験を準備するための塾の費用もおじさんが出してくれました。そのときのおじさんの奥さんからの一言は今までも忘れません。「何でうちが出さなければならないんだよ。」といやながらもお金をくれました。悲しかったです。おじさんは親切に塾を通わせてくれましたので、決して自分からまたは親から頼んだわけでもないので悔しかったです。今もそんなことは親やおじさんに知らせていないのです。それは自分の過去ですし、自分の人生の一部だから他人に言うはなんともならないと思っているからです。
だけど、今なって本当にみんなに感謝しています。いやな思いがあったからこそ僕はこれだけ成長してきました。追い込まれたから、ここに逃げ出しました。ここで僕は新しい人になりました。今まで生きてきた人生のほとんどは悲しい思い出や憎しみでした。でも今の僕はそんな過去があるような人に見えないのです。今の生活のほうがすきですが、過去も宝物だと思っています。だから、ブログで昔の自分になり、実世界では今の自分でいます。

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